石のハンコ「篆刻(てんこく)」って何?

 



 

篆刻(てんこく)とは

 

 

印材の石に篆書体(てんしょたい)で彫ったハンコのこと。

で、篆書体とはどんな書体?

 掛け軸など毛筆で書いた人の名前の下に押してあるハンコで

 落款(らっかん)という。

 

正統派的な落款

勝海舟の落款「海舟」

(落款字典より)

 

でも私には書などに押印されているこのようなハンコは、

カミシモを付けたサムライみたいに堅苦く見えるので

まったく興味がなかった。

篆刻は歴史的には随分古く伝統的なだけに、

決まりごともたくさんありそうである。

私の嫌いな「権威」が肩で風を切って歩いているような

結構面倒くさい世界のようにも感じる。

 

ある時、専門知識のない人でも楽しく篆刻をすることができる

という本を見た時には目からウロコ。

自由気ままで「なんでもあり」の世界。

権威や伝統などという面倒くさいものはどこにもない。

個性を全面的に押し出すという手法。

この「楽しい印」の世界は人間を長くやっていると、

知らぬ間にしばられている見えない魔物から解放してくれる。

 


 

篆書体と篆刻

(てんしょたいとてんこく)

篆刻は篆書体の文字を印材用の石に彫る。

漢字は象形文字と言われる。

漢字は物の形から出発した甲骨文字が起源らしい。

その後青銅器などに記載された「金文」という文字を経て

篆書体文字に発展してきた。これが紀元前221年というから

時間が文字として熟成させてきたといえる。

 


 

甲骨文字

 

金文文字 篆書体文字 現代文字

 

篆書体は漢字の成り立ちの方に近い文字のように思える。

 日本最古の印鑑といわれる有名な国宝の金印「漢委奴国王印」

 江戸時代に福岡県の志賀島で百姓が見つけたという

 下記の「漢委奴国王」は篆書体で彫られている。

 

 

 

そんな古い過去形の書体であるが、

書体としては現在も実印や銀行印などの印鑑の書体に使われている。

私たちの身近なところでも篆刻を見ることができる。

千円・五千円・一万円紙幣のオモテとウラに印刷されている

「総裁之印」と「発券局長」の丸印がそれ。

(紙幣をコピーすれば罪になるかもしれないので、ここへの掲載はやめておく)

 

 

 山→
 水→
 人→
 森→

 正→
 竹→
 中→
 子→

 

これらの文字は特別な知識のない人でも読めそうな文字ばかりである

 しかし下記のような画数の多い文字になるとさっぱりわからなくなる。

随→ 遭→

篆書体については下記に詳しく記されています。

 http://ja.wikipedia.org/wiki/篆書体

しかしながら

私、楽印居庵としては何でもありであるので、

 

 子→
 山→
 龍→
 恵→

 

など文字のような絵のような形に変形させてしまいます。

こんな変な文字を考えること自体が楽しいのです。