【手前味噌】ハンコ |
彫ったハンコをアレンジして翌年のカレンダーを制作している。(下記”今月のハンコ”) 印影を眺めて湧き出すイメージを捕まえ、二次元の世界で遊ぶ。 しかしながら寄る年波かアイデアが枯渇してきた。 若い頃は自由奔放な考え方であったのに、 いつの間にか自身でワクを作って考える範囲を狭くしてきたようだ。 以前の制作印を眺めて考えさせられた。 「温故知新」古きを訪ね【手前味噌】なハンコで 自由奔放を呼び覚まそうと思う。
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竹舟印
この人は書道をされている人らしい。 石のハンコを彫り始めた初期の作品。 文字を眺めていると笹船が浮かんできた。 それをイメージして20mm角の石に彫った。
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今月のハンコ |
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「お地蔵さまとコスモス印」
お地蔵さんはすべての人を苦悩から救ってくれる菩薩さまである。 日本では道端に存在する身近な道祖神であり、 子供の守り神でもある。
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自由奔放に手彫りする石のハンコ
石のハンコは”篆刻”(てんこく)と言います。 基本的には篆書体(篆書体)で書いた文字を ハンコ専用の印材の石に手彫りします。
その歴史はずいぶん古く、中国から伝わってきました。 公文書や毛筆の書・絵画など専門分野で使用されてきました。 それだけに決まり事もたくさんありそうです。
私のハンコはこれらの決まり事を全部取り払って、 生活の一部として気軽に使う楽しいハンコです。
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こんなハンコを手彫りしています。
(画像をクリックで拡大)
歴史的に古代より存在する石のハンコの落款(らっかん)は、当たり前ですが文字を彫ったハンコが多いです。
文字の種類も篆書体(てんしょたい)文字が大勢を占めています。
それだけに気軽に使用するハンコとして、一般的に普及してこなかったのではないだろうか?と勝手に思っています。
篆書体文字を使った落款は権威の強い香りを私は感じます。しかし私には面倒な決まりごとがたくさんあるように思えましたし、一般的には読みにくい書体で、ハンコというよりは書画の飾り物のように感じました。ですから私は親しみを持てずに全く興味はなかったのですが、あるきっかけでのめりこむようになりました。
それは石のハンコではあるのですが、文字の種類も絵のジャンルも何も気にすることなく、”思いのままに個性全開で彫ればいい”ということをおっしゃる先生に出会ったのがそのきっかけでした。
従いまして街のハンコ屋さんで一級印章彫刻士様の彫られるハンコとは全く別物なのです。
一番最初に彫った絵手紙用五十音の消しゴム印
(むつかしかったぁ!)
左の五十音のハンコは30年近く前に消しゴムに彫った最初の作品。
これが篆刻にのめり込むきっかけになった私の原点です。
妻が絵手紙を習い始めた時、絵を描いたハガキに押すゴム印が必要となったので、妻から依頼されて彫ったのが最初のハンコです。
妻が押印したゴム印を絵手紙の先生がご覧になって、「文字が面白い!五十音全部作ってください」と依頼されたのが上記のハンコです。現物は先生にお渡ししましたが、印影は「初心忘るべからず」という意味で今でも大切に保存しています。
初めて彫ったので、消しゴムに彫るのはむつかしかったことを覚えています。ゴムは柔らか過ぎて自由が利かない、丸みのあるひらがなは丸く彫れない、というのがむつかしい理由です。
でも消しゴムハンコはデザインや文字が親しみ易いために需要は高いです。手作り市で石のハンコ屋さんには出会ったことがありませんが、
消しゴムのハンコ屋さんはよく見かけます。
ゴムと石のハンコの線の違い。
ゴムも石も計算せずに彫ると大きな違いが現れるのがよくわかります。
ゴムに彫った線はまっすぐで、石に彫った線はギザギザです。
ゴムに彫った線はきれいに切れている線ですが、石に彫った線は切れているというよりも欠けている状態だからです。
この欠けている状態は計算できない「予期せぬ線」です。私が石のハンコをこよなく愛する理由はこの予期せぬ線にあります。
柔らかい石よりも硬い石の方により多くの予期せぬ線が発生して面白いです。だから私は硬い石を好んで使います。
はんこ文化の危機
印章というハンコはヨーロッパにもあったらしいのですが、合理性からかサインという手段に変わって19世紀ころには廃れてしまったようです。
日本のハンコはもともと中国から入ってきたようですが、本家の中国では日本のように書道などを通じて一般的に普及しなかったようです。
「本人確認」という目的で日本には官庁主導で一般に定着したらしいのですが、世界的に見てもハンコ文化は日本だけのようなのです。
「本人確認」ということに関すれば合理性という点では、ハンコ一本で本人を確認できるシステムですから、むしろハンコの方が合理性に富んでいるように思われます。でもコピー技術も格段に進歩した現在では、同じハンコを複製することは容易いので、ハンコが最高の本人確認ツールでもなくなったようです。
コロナウイルス感染症で会社が休業を余儀なくされても、ハンコを押すだけで出社しなければならない不便がクローズアップされ、IT化の波もあってハンコ文化がここにきて危機を向かえている気配です。
私のハンコは「遊び印」
デザインなしとデザインありのハンコの違い
私の石のハンコは、歴史のある重厚で威厳のある落款とは似ても似つかわないしろものです。
ハンコに個性を持たせ、主張もさせ、笑いあり、おふざけあり、不真面目あり、とストライクゾーンの広~いひろ~い何でもありの「遊びの印」。
だからデザインを考えている時も、彫っている時も、完成した時も、ご依頼主にお渡しする時もぜ~んぶ楽しい!
むろん書道に使う”落款”をはじめ、公的な場面で使う”実印”、銀行で必要な”銀行印”もご依頼に応じて彫っています。
でもやっぱり遊び印が私の”ええかげん”な性格にピッタリ合っているのです。
基本的にハンコを彫る前に入念なハンコのデザインを実施します。
これにずいぶん時間をかけます。
それはなるべくご依頼人の持つ属性を、少しだけでも文字や絵の中に取り入れたいからです。
しかし手作り市の店頭では1本彫る時間はせいぜい5分~15分くらいしかないことと、手作り市に来られる大多数のお客様は、ハンコを作るためだけに来られたわけではなく、偶然に私のお店をご覧になられて「作ってみようか」と思われる人ですので、お値段を廉価にするためデザインなしでその場の感性だけで彫っています。
私自身は今でも相変わらず篆書体文字に親しみを持てないため、依頼される文字を篆書体文字で彫れば楽なのですが、苦しみながら私流にアレンジした文字で彫っています。
ハンコに2つのマークを彫り込んであります。
ハンコに彫ったマークのことを、お客様から時々お尋ねを頂きます。
完成したハンコには表裏に2つのマークを彫ってあります。
表側の+印は押印時にこちら側を前に向けて押すしるしです。
裏側の山型のマークはこのハンコは私が彫りましたというしるしです。
私の名前は”富山 嶽(トミヤマタカシ)”です。最初の”富”と一番下の”嶽”で”富嶽”となって富士山を表しますので、富士の山を私のしるしにしています。
「うわぁ!」のお声が励みです。
ハンコの完成品をお渡した時に、ご依頼人から出るこの第一声が「はげみの素」。 このお声をお聞きすると安堵感と同時に緊張からの解放感に包まれます。 完成品をお渡しする時は、ちょうど試験結果を通達される時のような気持ちです。
「石に彫るのはたいへんでしょ?」というお声をよくお聞きします。 実は彫る力や時間はほんの少しだけです。 ハンコ専用の石は普通の石よりも柔らかいからです。 むしろデザインを考えている時間の方がずいぶん長いのです。 よいアイデアが出ず1ヶ月以上悩み続けて考えている場合もあります。 でもこの「熟成時間」が楽しいのです。 デザインが完成して石に向かった時は、頭の中に熟成して凝縮されたデザインを、 石の上にぶちまけるように一気に彫り進めます。 私はお客様の「うわぁ!」のお声をお聞きするために彫っています。 この試験結果のお声が次の作品を作る「エネル源」になっているのです。
楽印居庵(らくいんきょあん)
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価格は10ミリ角の白印(凹判)でひらがな1文字1000円からございますが、 漢字や絵印は文字数・大きさ・デザインにより異なりますため、お見積り致します。 「世界に1つのハンコ」のページをご参照のうえ、 下記あてメールでお問い合わせください。 rakuinkyoan@jcom.zaq.ne.jp (個人情報はお問合せのご返事・完成品のお届け・ご案内以外に利用は致しません)
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《ご注文から完成品のお届けまで》
②大きさをご指定下さい。5mm角~30mm角まで5mm単位です。 ③白印(凹判)か朱印(凸判)をお選びください。(あなたにも彫れますのページご参照) ④折り返しお見積り金額をご提示させていただきます。 ⑤お見積り金額のご確認後、デザインを開始致します。 ⑥デザインはおまかせです。 ⑦完成まで約1週間程度です。 ⑧完成品はご連絡後郵送致します。(彫り料3000円以内は別途送料500円) ⑨振り込み用紙を同送致しますので、振り込みをお願い致します。
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